吃音を悪化させない発声練習の方法


 

音を悪化させないための発声練習のポイントについてお伝えしたいと思います。発声訓練

 

あなたも知っている通り、がむしゃらに音読の練習をしたりしても吃音の状態は良くならないどころか、余計に発語への意識の介入が強まって重症化します。それは過去に多くの吃音者が証明していることです。

 

ではそうした発語の練習はまるで効果がないのか?いえ、そうではありません。悪いのは「発語への意識の介入を強めてしまう」発声練習です。つまり、発語へ意識が向かないように工夫をすることによって、悪化を回避しながら吃音改善を行うことができます。

 

これはある1つの音読法の理論を背景に考え出されたもので、これを意識すれば悪化を最小に防ぎながら、最大の効果を上げることができるでしょう。

 

 

“世界中で効果が実証されている音読法

 そこから得られるヒントとは?”

 

 

日本語で斎読法(さいどくほう)と呼ばれるその音読法は、世界中の治療院や矯正所で昔から行われてきた(もちろん今も)改善手法です。有名な「ゆっくり、やわらかく、伸ばしながら」の古典的な発声法と共に、数ある発声法の中でも非常に高い効果が見られた方法です。

 

これは補助の人あるいはガイド音声などが話すのに続いて、後から追うようにして音読していくという方法です。相手が話すのを聴きながら、その後に続いて(ほぼ同時に、ハミングするように)一緒に音読していきます。

 

音を耳で聴きながら、自分も一緒に音読していく、ということなのですが、、、

 

これをやっているときはほとんどの吃音者が非常に流暢に話せてしまうのです。どうやって言葉を出すか、ということを意識せずとも言葉が自動ドアのように流れていくのです。なかなか興味深いですよね。

 

なぜでしょう?

 

 

“DAF理論から学ぶ、吃音を悪化させ

  ない発声練習の重要なポイント”

 

 

ここで参考になるのが、DAF(遅延聴覚フィードバック)理論です。日本でもDAF装置と呼ばれる耳掛け式の機械などが販売されていますが、あれは自分の話した声を0.2、0.5、0.7秒など、少し遅らせて聴きながら話すための矯正器具です。使用者は自分の声を聴きながら話すため、さきほどの斎読法と同じような状況になります。

 

DAF理論を唱える人の中には「吃音は聴覚障害である」と唱える人もいて、それについては根拠がないのですが、、、しかしこのDAF理論から、吃音を悪化させない発声訓練を行うためのヒントを見つけることができます。それは「どこに意識を向けるのか」ということです。

 

斎読法やDAFの理論は、「自分や他の誰かの音(声)を耳で聴きながら話しているときは、吃音が出ない」というもの。

 

多くの人は恐らく、発声練習を行っているとき、意識は口元などの発語器官に向いているはずです。どうやって声を出そうか、口の開きはこのくらいかな、顔の筋肉の力を抜かないと、、、でも、そう意識すればするほど発声は難しくなるはずです。余計な力が入って上手く言葉が出ません。それを繰り返すことで吃音の癖が強まり、より症状が悪化していくのです。

 

だから、違う場所に意識を向けましょう、、、という話です。

 

 

“悪化を最小にして効果を最大にする

    発声練習のコツ”

 

 

要するに、「耳」に意識を向ければいいということです。「話そう!話そう!」と、頑張って声を出そうとか、上手くキレイに発音しようと意識するのではなく、「耳で聴く」ことに意識を集中してみてください。

 

自分の話した言葉を、耳でしっかりと捉えながら話してみてください。そうすることで発語器官へ意識が向きにくくなります。悪化を最小限にして、最大限の効果を得られるでしょう。このような耳で捉える癖をつけると、格段に話しやすくなることにも気付くはずです。

 

なぜならこれを意識すると、必然的に「ゆっくり、やわらかく、伸ばしながら」という話し方になるからです。耳で自分の声を捉えようとするので、自然にゆっくりになります。また少し伸ばし気味の、やわらかい発声にもなっていきます。

 

「ゆっくり話しなさい!」なんてことを誰かに言われても、「どうやってゆっくり話せばいいんだよ、、、それを教えてよ、、、」と不満に思っていたかもしれませんが、これからは「耳で捉える」ということを意識してください。

 

それだけで変わります。

 

 

“まずはこの発声練習を試してください”

 

 

耳で捉える、耳で聴くことを意識するといっても、、、普段の会話でいきなりそれを実践するのは難しいかもしれません。なので、まずは最初に紹介した「斎読法」を練習してみるといいでしょう。そこで「耳で捉える」という感覚を十分に身につけた後で、普段の生活に取り入れてみましょう。

 

発声練習に関しては、この「斎読法」だけやれば十分です。それだけでだいぶ過剰な吃音の症状は緩和していきます。そうなれば、あとは心因性の部分をケアしていくための心理療法の出番です。


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