吃音を構成する恐怖の心理トリガー


よく、こんなふうに言われる方がいます。

「私の吃音はいつ起こるかわからないから困る」吃音の恐怖!

要するに、吃音が完全にランダムで、予測ができないということなのでしょう。しかしそれは本当にそうなのでしょうか?実は吃音はランダムに、不規則に起こっているわけではありません。法則があるのです。

 

特定の条件(個人個人によって違う、、、が大部分では共通する)が揃うことによって、必然的に起きているのです。吃音は正確にプログラミングされていて、それを作動させるに足る条件が揃えば、必ず症状が出るのです。

なので、自身の吃音をよく観察し、どういうときに吃音が出るのかを把握して、自分自身の吃音を「定義」することが役立ちます。そうすれば、どうやって吃音状態になるのを防げるのかの戦略も見いだすことができます。これは個々人によって細かな違いはあります。

ありますが、今回は大部分の吃音者に共通するトリガーを見ていきましょう。吃音を引き起こす心理トリガーです。<

 

吃音を引き起こす恐怖の心理トリガー

 

恐れの感情が吃音を引き起こすことは、容易に想像がつくでしょう。スピーチマッスルが硬直するのは、あなたの心身が恐怖を感じているからです。ではなぜ恐怖を感じるのでしょうか?

 

 生命の危険

 

吃音者にとって、人前で話す、誰かと話すというのは、生命を脅かされるような状況だと言えるでしょう。もちろん実際に生命が危険にさらされているわけではありません。しかし、本能的にはそうなのです。あなたの生物としての本能は危険を感じているのです。

危険を感じた本能は、あなたの体を闘争・逃走に最適な状態に変えます。筋肉を緊張させ、結果として簡単にブロッキング(言葉が詰まること)が発生することになってしまいます。

これはあなたが悪いわけではなく、生物としての防衛本能です。しかしそれにしても、なぜ人前で話すこと、もっと言えば人前で吃音を見せてしまうことを「危険」と捉えてしまうのでしょうか?

 

そもそもなぜ危険なのか?

 

他の人の前でのブロッキングはなぜ危険?なぜあなたの本能は危険と判断するのか?いくつか考えられます。

 

  • 相手が否定的な反応を示す可能性があるため
  • ショックを受けて驚いたりするかもしれない
  • 自分のことを裁いたり、拒絶したりするかもしれない

 

要するに、「拒絶」の恐れです。これは人間にとってはとても恐ろしいと感じるものなのです。本能的に、1人では生存できないことをわかっているからです。生命の危機、死に繋がる危険というわけです。

人前で吃音を出してしまうことは本能にとってまさに最悪のシナリオで、その恐怖が吃音を構成する基本的な側面だと言えます。

他の人に吃音が曝される危険と、話すという行為が関連付けられ、それによって話す場面になると条件反射的に吃音状態になるという仕組みです。これはほとんど全ての吃音者に共通する原理です。

 

だから、吃音が曝される場面、もっと広く言えば、自分自身が曝される場面になると吃音が発生する、、、そのようなメカニズムが構成されているわけです。あなた自身のことを思い返してください。あなたの吃音は大部分が、こういった場面で起こっていたのではありませんか?

 

吃音が出るとき、出ないとき

 

自分自身が曝される心配がない状況では、吃音は出ない

  • 1人でいるとき
  • 自分よりも知性の低い相手と話すとき(赤ん坊、犬、猫)
  • 誰かを演じるように話すとき(別にそれは自分自身ではない、、、から)

 

自分自身を曝しているときは、ほとんどの場合で吃音が出る

  • 自分自身のことを話す
  • 自分の意見を言う
  • 何か重要な質問をするとき
  • 人前で話す

 

もちろんこれは全ての吃音者に完全に当てはるものではないですし、例外はあります。しかし、これは吃音の本質を突いています。これを理解して、自身の吃音を把握し、定義することは、流暢性の獲得と吃音恐怖からの解放に大いに貢献します。

どういうときに吃音が起こるのかがハッキリ定義できれば、対策を立てることができるし解決策も考案できます。

ここで重要な質問です。

この質問について熟考を重ねることはとてもいいことです。吃音を克服する突破口になるかもしれませんよ。

  1. なぜ私は吃音をこんなにも恐れているのか?
  2. もし、他の誰かの前で吃音を曝け出したら、どんなことが起こるだろうか?どんな最悪の事態が?
  3. それは本当に”最悪”か?そもそも、それは本当に起こるのか?
  4. もし、吃音を曝すことを恐れていなかったら、どんなふうになれるだろう?

 

紙に書いてみてください。これに真剣に取り組んだなら、飛躍への鍵を手にしたことになります。吃音が出てしまうことの恐怖から、あなたを救ってくれることでしょう。

 

まとめ

 

吃音には一定の、非常に論理的で正確なメカニズムが存在しています。それはプログラミングされたコンピューターのように、正確に機能します。だからこそ、自身の吃音の発生条件を把握し、吃音を「定義」することである程度の予測ができるわけです。

自分の吃音は、こういうときに起こる。

それがわかれば、対策も解決策も導くことができます。必要な改善法を探してきて当てはめることができるでしょう。この記事は恐怖の心理トリガーを具体例に挙げて説明しましたが、それ以外にも様々なトリガーがあります。

あなたは、誰よりもあなたの吃音に詳しくなる必要があります。自分の吃音のことを1番よくわかっているのは、治療者ではなくあなた、なのですから。


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