あがり症とは?


 

あがり症とは一般的に社会不安と同じ意味で使わる言葉です。「あがる」という言葉はよく使われる言葉で、特に本あがり症人は多くの人が人前であがった経験があり、自分はあがり症だと自覚しているようです。

では、あがり症とは何か?あがるとはどのような症状なのか?

それを深く理解することで、どのようにそれに対処していけばいいのかも見えてくるはずです。ここではあがり症を正しく理解するために、抑えておくべきことを説明していきます。

 

 

1. あがり症とは

「あがる」とは、特定の状況下で感じる不安のことです。あがり症にはそれに伴う身体症状があり(赤面する、声が震える、どもるetc)、それ故に人目につきやすく、悩みも深刻になりやすい症状です。

 

2.あがり症はいつ起きるか

どのようなときにあがり症の人は不安を感じるのか?主に考えられるのは、、、

  • 職場の会議
  • プレゼンテーション
  • 自己紹介
  • 面接試験
  • 何気ない会話
  • スーパーなどでの買い物

など。大勢の前で強い不安を感じるのか、それとも一対一の場面で強い不安を感じるのかは個人差があります。いずれにしても、不安を感じる条件として、必ず対人の場面であるということが特徴です。

 

3.なぜ不安になるのか

ではなぜ、そのような場面になると不安になるのでしょうか。緊張してしまうのでしょうか。これはいくつか要因があります。まず、あがり症の中で最も多いものとして、

 

3-1. 上手くやれるかどうかという不安

例えば、大勢の上司や役員が見ている前でのプレゼンテーション。

「ちゃんとスラスラ話せるだろうか、、、」「落ちついて、きちんと説明できるだろうか、、、」「内容は相手を満足させ納得させられるレベルになっているだろうか、、、」「ミスして怒られないかな、、、」

など、不安は際限なく湧いてくるでしょう。上司や役員たちはあなたのプレゼンの内容はもちろん、話し方や立ち振る舞いも含めて、様々な角度からあなたを「評価」するでしょう。

これで緊張しないはずがありません。

この種の不安は、物事をキチンと(相手の期待通りに)遂行できるかどうか、そしてその結果自分にどんな評価が下されるのか、という種類の不安です。相手の期待通りに上手くやれるかな、、、というものです。

スピーチ、自己紹介、プレゼン、会議での発言、面接試験、講演、あるいはスポーツの競技など、、、ほとんどのあがり症の人の不安はこれに該当するものです。

 

3-2. 相手に気に入られたい

自分のことを相手に気に入られたい、価値のある人間だと思ってもらいたい、そのような心理は時として強い不安と緊張を生み出すこともあります。

なぜなら裏を返せば、これは自分のことを価値がない、気に入られる存在ではないと思っているからこその心理だからです。それが強ければ強いほど、気に入られたい、価値をわかってほしいという心理状態になるのです。

「価値がない人間だと、相手に見抜かれる不安・恐怖」、と言うこともできます。

大勢の前でのスピーチのような場面だけでなく、友人などとの他愛のない会話のときにも強い不安を感じる、あがってしまうという場合はこれに該当することが多いです。

 

3-3. 相手の反応が怖い

こんなことを言ったら、相手を不快にさせてしまうのではないか?非難されるのではないか?怒らせてしまうのではないか?

傷つけたらどうしよう、嫌だと言われたらどうしよう、バカにされたらどうしよう、、、

 

相手がどんな反応をするのかわからないから怖い、不安になるというものです。

 

 

4. あがり症に伴う様々な身体症状

あがり症には通常、様々な身体症状が伴います。あがって、緊張しているとき、身体は実に様々な反応を示します。それも自動的に、、、。

不安や緊張には必ず、何かしらの身体の反応が付随するものです。代表的なものをいくつか挙げます。

  1. 心臓がドキドキする
  2. 身体が震えてくる
  3. 軽くめまいがする
  4. 発汗
  5. 身体がこわばる
  6. 胸が締め付けられた感覚になる
  7. 口が渇く
  8. 吐き気
  9. 身体が熱くなる
  10. 赤面
  11. 声が震える
  12. 喉の圧迫感
  13. どもり
  14. 声が出なくなる
  15. 失神

 

ほんの一部です。

もちろん、心臓がドキドキするとか、ちょっと身体が震えるとかは、ごくごく当たり前で誰もが経験しているものでしょう。その程度がそこまで強くなければ、あまり気にすることもないはずです。

しかし、その身体症状が激しくなると、それをひどく気にしてしまい再び身体症状が起きるのを非常に恐れるようになります。人前で顔が赤くなってしまった人が、次から同じような場面で強い不安を感じることは容易に想像がつくでしょう。

 

4-1. 身体症状の種類による不安を感じる強さ

身体症状と言っても、その種類によって不安や緊張を感じる度合いは違ってくることがあります。例えば、心臓がドキドキするとか、口が渇くとかは、それが他人からはあまりわからないものです。

そのような本人しか知覚できない身体症状の場合、さほど不安は強くありません。

しかし、赤面するとか、声が震える、どもるといったような身体症状の場合、、、他人にもはっきりとそれがわかってしまいます。あがり症の人が最も恐れるのは、自分があがっていることを周囲に知られてしまうことです。ですから、この場合の不安と緊張は非常に強いものになるのです。

 

4-2. あがり症の身体症状をどのように解釈するか

こう見てくると、身体症状はとても異常なもの、異物に思えてきますが、それは正しくはありません。心臓がドキドキしたり声が震えたり赤面したりすることは、決しておかしなことではありません。

あがったときの身体の反応は、不安やストレスに立ち向かおうとする身体の自然な防衛反応です。鼓動が激しくなったり、呼吸が速くなったり、筋肉が緊張するのも、危険に備えて行動に移るための古代からの本能なのです。

とはいえ、、、いささか時代遅れな反応であることは確かです。不安を感じたからといって、それが別に生命の危機にさらされる状況というわけではない現代において、それらの身体反応はあまり歓迎されないのもわかります。

面接などで声が震えたり言葉が詰まってしゃべれなくなってしまったら、この人は重大な欠陥があると判断されてしまうこともあるでしょう。

しかしそれでも、身体症状は自然な防衛反応であることは忘れないでください。そしてそれを取り除こうとするよりも、それに上手く対処する方法を知ることです。

 

 

5. あがり症と思い込み

あがり症の人の不安を強化する要素に、思い込みがあります。自分自身や他人に対してのネガティブな思い込みは、ほとんど自動思考的に、無意識的に頭に浮かび、不安を強めていきます。

この思い込みはほとんどの場合、誇大で、事実に反しています。ですが本人にとってはそれが絶対の真実になっているのです。この絶対の真実となった思い込みが、ネガティブな思考パターンを形成し、あがり症をより深刻にしていきます。

よくある思い込みのタイプとして、、、

 

5-1. 自分自身の能力や存在価値を否定する思い込み

「あそこで声が震えてしまった、、、」「上手くしゃべれなかった」というふうに過去の失敗の記憶を取り出してきて、自分は人前で話せないに違いないといったように、自身の能力を否定したり、、、

あるいは、「こんなこともできない自分は価値がない」といったように、自身の存在価値そのものの否定にまで繋がるケースもあります。

低い自己評価、セルフイメージを抱くような思い込みです。このような場合には、自己肯定感と自己効力感の2つの能力を育むことで、この種の思い込みを拭うことができます。

 

 

5-2. 相手に対する偏見、思い込み

「あの人は自分のことをバカにしているに違いない」「あそこで笑ったのは、きっと自分のことを嘲笑したのだろう」

相手の反応に対して、ネガティブな解釈をして不安を感じてしまうというものです。相手のちょっとした反応にも敏感になり、それが自分への敵意や批判、侮蔑だというふうに思い込んでしまうのです。

このような思い込みは、ほとんどの場合間違っているものです。ただの勘違いです。

 

 

6. あがり症と予期不安

実際に、その状況に置かれる前にー例えば大勢でのスピーチの3日前などー、すでにそのことに対して強い不安を感じ、ネガティブな状態に陥ってしまうことがあります。これが予期不安です。

「きっとまた上手く話せないに違いない」というような、失敗のイメージを作り出し、強い不安を感じることになるのです。何日も、何週間も前から、、、。

 

6-1. 予期不安の定着

単に人前であがってしまうだけの人と、本当のあがり症との区別はこの予期不安をどれだけ強く感じているか、で判断できます。予期不安を強く感じないなら、それはただの”あがりやすい人”です。

本当のあがり症は、予期不安を強く感じ、それがパターン化してしまったものです。

それは一度形成される、どんどん負のサイクルとして加速していきます。予期不安が失敗を生み、その失敗がさらに予期不安を強化し、それがまた失敗生み、、、、、、、どんどんどんどん深みにはまっていってしまいます。

 

6-2. その不安は現実化するものか?

不安や心配事のほとんどは現実には起こらないと言われます。飛行機嫌いの人は飛行機がもし墜落したら、、、と考えますが、そんなことはほとんど現実にはならないでしょう。

ではあがり症の予期不安の場合は?人前で話すときに、声が震えるんじゃないかとか、赤面するんじゃないか、といった予期不安はどうでしょうか。この場合はそれが現実になる可能性は極めて高いと言えるでしょう。

ほとんどの場合、予期不安のシナリオ通りの現実を作り出してしまうのです。ですので、あがり症と予期不安は非常に強い関係があるのです。この予期不安を取り払うことができれば、あがり症は急速に良くなっていきます。

 

まとめ

あがり症に対しての正確な理解が、克服への第一歩です。あがり症の原因や仕組みをよく理解していれば、対策や気をつけるべきポイントもわかってきます。よく頭に入れておきましょう。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>